伊東 大介
慶應大学病院メモリークリニック特任教授
日本認知症学会専門医
日本神経学会専門医
血液検査による認知症リスク診断
認知症・軽度認知障害(MCI)リスク診断に有用とされている血液中アミロイドβ検査(試薬開発:シスメックス株式会社)が、2022年12月に厚労省より製造販売承認を受け、2023年7月より検査可能(検査受託:株式会社ビー・エム・エル)となりました(自費検査)。当院では検討の結果、8月より検査受付を開始しましたので、ご案内します。
なお、厚生労働省研究班の指針(2021年)では、認知症に関する血液バイオマーカー検査は、実施判断・結果説明ともに専門医等が行うことが望ましいとされています。当院では、伊東大介医師の神経内科外来(土曜日午前)で行います。
■わが国では、現在65歳以上の約1割が認知症と報告されており、21世紀医療の大きな課題であります。認知症の代表であるアルツハイマー病に対する薬剤の効果は限定的であり、早期発見、予防が重要と考えられています。そこで、血液で認知症になりやすさ(リスク)を診断し、早期に積極的に治療介入する、認知症予防が重要とされています。近年の技術では、血液により約90%の正確さで認知症のリスク診断が可能とされています。この血液バイオマーカ―が陽性だと将来約10倍認知症になりやすいと報告されています。
伊東大介先生
■一方、危険因子(「高血圧」「聴力低下」「抑うつ」「社会的孤立」等)の排除により35%の認知症が予防できると報告されています。また、認知症ハイリスク高齢者を対象とした研究では、血管病変のリスク管理など、多角的介入によって認知機能の維持・向上が期待できることが報告されています。
■東新宿クリニックでは、血液検査で認知症リスク診断を行います。ハイリスクの方には、当院専門外来受診を推奨し、積極的な生活指導と治療により認知症予防を行います。
費用: 初診1万円 検査7万円 再診1万円: 計9万円
血液中アミロイドβ検査は、採血後の検体の取り扱いが通常の検査と異なります。また、採血結果の解釈には専門的知識と認知症診療の経験が必要です。当院では検体用冷凍庫を使用し、スタッフは治験などで各種検体取り扱いの経験が豊富です。検査結果は単に数字でお伝えするだけでなく、症状・経過なども踏まえて、専門家としての知見に基づいて、伊東医師が丁寧にご説明いたします。
認知症を予防しよう! (YouTube動画)
伊東大介医師が、認知症の予防・早期の症状について一般の方を対象に解説する動画をご紹介します。
当院で開かれた講演会の記録、「認知症のおはなし~治す・防ぐには~」です。
認知症予防ー40代・50代から改善したい生活習慣
認知症予防には、中年期からの生活習慣改善・成人病治療が最も効果的ー伊東医師が、認知症の予防について解説した、婦人公論.jpの記事をご紹介します。
認知症はどんな人にも起こりうる病気です。だからこそ、「もし認知症になったらどうしよう」と不安に思う方も多いでしょう。実は近年の研究で、正しく予防すれば発症のリスクをある程度は軽減できることがわかってきました。なかでも注目されているのが、予防を始めるタイミング。認知症というと、「高齢者の病気だから自分にはまだ関係ない」と他人事のように考えてしまいがちですが、“中年期”に予防することが最も効果的だといわれています。
認知症・物忘れQ&A カラダネ
㈱わかさ出版のウエブサイトkaradane.jp の中の、認知症・物忘れQ&A で、認知症に関する様々な疑問に、伊東大介医師が解説をしています。
以下のようなご質問にお答えしています。
- 最近物忘れが増えたが、これは認知症の初期? それとも単なる物忘れ?
- 認知症の原因には、うつがあると言うのは本当ですか?
- 認知症の予防には「高血圧や糖尿病の改善が重要」と聞きました。
- 認知症は遺伝するの? もし、遺伝するなら対策を知りたい。
- 自分の物忘れは「認知症の初期」でないかと不安。病院選びと受診方法を。
- 認知症の原因には睡眠不足が関係していると聞いたが?
- 家族が認知症と診断されたが、近所の人にも知らせる方がよいのだろうか?